也田貴彦blog

おもに文学やお笑いについて。

2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

オールタイム漫才ネタベスト10 ⑧流れ星「ひじ神様」

漫才の設定にもいろいろあるが、世にも特異なキャラクターなりシチュエーションなりのアイデアを思いつくことができれば、「デート」「医者」「美容院」など目新しさのない設定を持ち出すよりも当然アドバンテージを得られるのは事実だろう。笑い飯の「鳥人…

オールタイム漫才ネタベスト10 ⑦千鳥「ブラックジャック」

2003年のM-1グランプリで千鳥が初めて決勝の舞台に立って以来、僕は数多くの千鳥の漫才を見てきた。彼らのネタは良くも悪くも野蛮だ。初期(2009年ごろまで)の彼らのネタは特に荒削りなものが多かった。冒頭に提示する発想は奇抜ではあるものの、あえて大き…

オールタイム漫才ネタベスト10 ⑥マヂカルラブリー「いじめっこ」

マヂカルラブリーの漫才は不穏だ。 ツカミからしてそうだ。ツカミというのは登場してセンターマイクの前に立った瞬間に観客を自分たちの世界へ引き込むための装置であり、「麒麟です」「お兄さんトレンディだね、うーんトレンディエンジェル」「小木です、矢…

オールタイム漫才ネタベスト10 ⑤笑い飯「音真似」

少々乱暴に言えば、2001年から10年続いたM-1グランプリは笑い飯のための大会であった。彼らは2002年にいわゆる"ダブルボケ"漫才で決勝の舞台に登場し、2003年に「奈良県立歴史民俗博物館」のネタで旋風を巻き起こしたが、惜しくも優勝は逃した。この2003年の…

オールタイム漫才ネタベスト10 ④ブラックマヨネーズ「引っ越し」

ブラックマヨネーズの漫才を見るたびに、良い漫才師は「ボケ」「ツッコミ」などという形式的な役割分担を超えてくるのだなと思い知らされる。彼らのネタは後半になるともうどっちがボケでどっちがツッコミなのか分からなくなることが多い。それもそのはず、…

オールタイム漫才ネタベスト10 ③囲碁将棋「隣の部屋」

自分たちオリジナルのパターン(形式)をもちたがる漫才コンビは多い。良い鋳型を発明すれば、あとはそこにボケやシチュエーションを流し込めばいくつでもネタは出来上がる。コンビの名詞代わりにもなるし、お客さんもそれを求めてネタを見るだろうからwin-w…